1980年代以前。
栃木県で盛んに栽培されていた煙草の葉。
そんな産業の発展と交流を目的に、たばこ耕作組合連合会という組織も作られ
そんな連合会の栃木県本部として昭和60年に建てられた本建物。
しかし、時代は変わり
栃木県のたばこ耕作組合連合会は茨城県の連合会と合併し
栃木県内本部としての役目を終えた建物は、紆余曲折を経て現オーナーの元に。

元々公共建築の部類だったせいか、
重厚な鉄筋コンクリート造。
そこはかとなく香るバブルの香り。
窓の先には県商(栃木県立宇都宮商業高校)跡地の錦中央公園。
公園の脇を流れる御用川で葉っぱを流しながら遊ぶ子供たち。
さてここで何しましょう？

〈物件レポート〉
宇都宮市今泉町。
古くから宇都宮の住宅街として栄え、
小さな商店や工場が未だ多く残りつつ、
近くにはFKDがあり、
静かさと便利さが融合した地域。

細い道がこまごまと通り、初めて車で入ると
結構な確率で行き止まりにぶつかるそんなエリア
そんな地域の車で入れるどん詰まりにある本物件。

200坪程度の敷地の中に、重厚だけど淡い色味の建物がドン。
共用のエントランスを入り、1階はオーナー住居。
石張りの立派な階段ホールを上がると本物件。

元々、小会議室と大会議室に分けられる造りなのですが
現状、ワンルームで約42坪がスカっと抜けてます。
特筆すべきは堅牢が故の静かさ。
近くを白沢街道や公園があるのに、窓を閉めていると
外の音がほとんど聞こえません。
大家さんも1階にいながら、以前2階を使っている方がいても
ほとんど下には音は響いてこなかったとのこと。
そう考えると、音出しもある程度、可能という気はします。

僕の中で一番ピンときたのは、
音楽関係の事務所兼練習場所。
事務所として使える物件は普通にあるとしても、
音まで出せる物件というのは希有な存在。
文化会館の様なエントランスホールも練習場所と考えれば
入口から気合が入る気がします。

周辺も窓を開けても広い公園だし、
実際そうやって使えるかは、現地で音出してみないと分からないところではありますが、
結構いけるんじゃないかなって勝手に思っています。

細い道のどん詰まり、駐車場も敷地内は4台程度しか取れないという制約もあるので
どんな業種でもと言う訳にはいかない物件ですが、
社交ダンスやピアノ教室とかで使うと、昼間窓を開けて使っても
公園で遊んでいる親子連れも喜んでくれるんじゃないかと思います。
(中村)