カンカンカンと無機質な階段。
重厚な木の手すり。
若干錆びかかった重い鉄扉を開けると、何にも無い空間がしーんと広がる。

、、一体どれくらい空いていたのだろう。
宇都宮市中央にある1棟のビル。
近くにある、シェアハウスカマガワリビングに向かう途中、
何十、いや何百と曲がった曲がり角にあるビル。

通る度に気にはなってはいたんですが、
入ったことはなく、ずっと気になっていたこいつ、
この度、初めて入ってみました。

MET不動産部を何度も見ている方は周知の事実だと思いますが
僕はこういったビルに無性に惹かれます。
なんでって言われても、愛を言葉で表現することが不毛な様に
きっと理解してもらえないこともあると思います。

修繕しないと使えないと悩むオーナーさん。
街中の空き店舗が増えることに頭を悩ます行政や商工会。
最近時に中心部の空家や空き店舗への風当たりは強い。

でも、不思議と僕には中心部の雑居ビルのこの姿に魅力を感じてしまい、
それを自分では出来ないから、誰か面白く使ってくれないかと、
ついつい記事を書いてしまうのです。

〈物件リポート〉
まずはエリアの話し。
物件があるのは宇都宮市中央5丁目、みはし通りと、出雲通りの交差点。
みはし通りは言わずと知れた、二荒山の参道で、少し上がれば
「泣く子も笑うバンバ」の馬場エリア。
ただご存知の様に中心商業地に時代の流れか以前の勢いは無く、
1Fはなんとかですが、2階以上のテナントは空室率が非常に高いのが現状。
でも、この地域にある建物は昭和の中期から後期の建物が多く、
なんだろう、言葉で表現しにくいですが、なんか現状空きがあっても
なんか楽しそうなことができそう。それが連鎖しそう。
そんな予感を感じさせてくれるエリアなんです。

そんなエリアの中心といってもいい場所にある本物件。
1階が歌声喫茶から数年前に「月と7ペンス」というBarに変わり、
4階には建築当時から変わらず会計事務所が入る建物。

そこの2階〜3階の募集です。
ここは、密かに募集しているのは知っていたのですが、
20坪で15万という中心部相場で、
ん〜。。
って感じだったんですが、
オーナーさんとざっくばらんに話してみると、
本当は、色々手を加えなきゃいけないんだけど、
出来ないから、その辺を入居者に任せる代わりに
条件とかは相談にのるからとの言葉。

どんな条件になるかは、相談してみないと分からないので
とりあえず置いておいて、

この物件、楽しめそうと思える「変わりもの」を募集します。
今は何も無い空間だから、
子供たちが自由に絵をかける遊び場ビジネスでもいいかもしれない。
雑居ビルの屋上に魅力を感じれば、
昼は中で仕事をして、イベントで屋上を使いたい洋服屋でもいいかもしれない。

具体的な事業イメージが湧かない場合は、
妄想で建物をいじってみるだけでも楽しい。
全体的にはコンクリの無機質な感じだから、床には無垢床を張って
暖色系の照明を天井から吊るす。
それだけで、雰囲気がガラっと変わるし、できることも増えそう。

地域のイベントスペース的にも使えるし、キッチンを備えれば
宇都宮のシェアキッチンとしても機能しそう。

何をやるか、何が出来るかは色々ありますが、
この物件は、賃料の交渉を入れる限り、必ずオーナーさんの説得という
段階が1つ契約前に入りますので、
面倒なことかもしれませんが、それも「楽しめる」と思える人、
募集です。
(中村)